きくやは蜂は単に「ハチミツ」を採るだけの道具としては
絶対に考えません。

あくまでパートナーとしてお付き合いしています。

最近では受粉交配用に蜂を育て、販売したり貸し出したりして
生計を立てる養蜂家が多いのですが、

ビニールハウス内で蜂を放すというのは
そのままハウスの中で全滅することを意味するくらい過酷なのです。

きくやではアカツ農園さんにお願いして栗の開花期だけ置かせていただいていますが
交配のためには一切使っていません。
もちろん花というのはそれぞれが受粉の交配のために蜜を出しているわけで
その点では自然の中で交配の役にはたっているのですが、

あえて死んでしまう、殺してしまうのをわかっていて貸し出したりは
一切行っていません。これからも行いません。

なぜきくやが蜂の貸し出しをしないのかというと
勿論「農場の農薬をもらってきて蜜に入れてしまう」と言う事もあるのですが、
それよりも蜂を大切にしているのです。

蜜を出す花がない期間に蜂のために餌を作ります。
通常は普通の白砂糖を水に溶かして与えるのですが、
きくやでは「ハチミツ」をベースに「カルシウム入り砂糖」を加え
独自の配合を考えてブレンドして与えます。
通常の砂糖水には無い、カルシウムとマグネシウム、
そして鉄分などを補うのです。

がんばって集めてくれた蜜をこちらの都合で奪ってしまうのですから
せめてものお返しなのです。
おかげで蜂の群が全滅した事は一度もありません。

また養蜂家は「燻煙(くんえん)器」という機械を使い、
点検などの際には蜂をおとなしくさせるのですが
きくやでは転地させる際、(入り口を閉めなくてはいけない場合)以外は
一切燻煙器の使用を禁止しています。

蜂は煙が嫌いなので煙をかけると逃げ惑い、巣に頭を突っ込んでしまうのです。
それくらい嫌な事を人間の都合で使うのは、きくやの信条に反します。
そのせいか、きくやの蜂達は採蜜や点検の際に巣箱の蓋を開けても
他で飼われている蜂達に比べて攻撃してきたり、暴れたりしません。
(きくやでは点検が毎朝の事なので慣れていると言うのもありますが・・・)

蜂を「パートナー」として付き合うことができれば
蜂達も人間をパートナーとして認めてくれるのではないか
馬鹿馬鹿しくて途方も無いことかもしれませんが、きくやでは真面目に考えています。

普通の蜂人には馬鹿馬鹿しい取り組み
でもそれはきくやの信条です。