ハチミツは蜂が花から集めてきた「花蜜」を蜂の体を通して「蜂蜜」にします。
そして巣箱の中で羽を使って熟成させます。
蜂たちはその蜜を熟成させると蓋をします。
この蓋をした蜜は品質が変わらないのです。
かつてピラミッドから発掘されたハチミツは成分が変わっていなかったという
驚きの品質なのです。

しかし、それはあくまで「完熟したもの」だけ。
蓋がされず、ただ巣の穴に貯められている蜜、いわゆる「半熟」モノは
暑くなったりするとちょっとお酒のようにすっぱくなったりします。

きくやでは多少面倒で時間がかかるのですが、
採蜜する巣に全部蓋をされてから採蜜するという方法をとっています。
まさに完熟100%だけを採取する方針です。
量も取れませんし、蓋を切る作業など本当に面倒ですが、そこはこだわっています。

ここまで話して皆さんは
「それが蜂蜜ならば、採取法は皆そうしているのでしょ?」
そう思われるのが普通です。
素人のときは私も普通にそうしているものだと思ってました。

しかし、実際の現状では特に大量生産を考えるような養蜂では
「完熟蜜だけを採取する」なんてことは絶対不可能です。
同じ蜂でも女王蜂や、働き蜂の性格があり、、せっせと蜜集めに励む群、
蜜を集めたがらず花粉集めばかりの群、全く仕事をしない群、
仕事をしてもその分人に向かってくる攻撃的な群・・・様々です。
このように採れる量は群によって本当にバラバラなのです。
・・・しかし、花の開花期は待ってはくれません。さぁ、すべての群から完熟蜜を取れますか?
それこそ移動して北へ北へ完熟するまで場所を移動する「転地」をしないとまず無理です。
完熟を待っていては「特定の花の蜂蜜」は絶対に大量に取れません。
次の時期に咲く花の蜜が入ってしまうからです。純粋蜜が混合蜜になってしまうのです。
要は大量に取るためには「完熟」を待つよりも「半熟」をすべて採るという方法が
採られてしまうと言う事です。

特に海外などから輸入されている蜜は大量に輸出するために機械で熟成させています。
蜂にしかできない品質保持のための熟成法を添加物などを使ってカバーしたり、
糖度が足りないからと水あめを入れたり・・・まさに精製蜜なのです。
海外のハチミツは「加工はちみつ」と書かれていますが、「加工」を入っているものは
30%だけハチミツを入れればよいという決まりになっているのです。
要は70%はなんでも良いのです。恐ろしいですよね。

よく外国産と日本産はどう違うの?と聞かれます。
まぎれもなく外国産は前記のとおり大量生産で効率だけを求めます。
品質は機械で調整したり、水あめで糖度を増したり、それが輸入品です。
逆に日本の養蜂家のようにきっちり熟したものだけを採取するならば
値段は逆に国産よりたかくなるかもしれません。
莫大な輸送費をかけてくる品物が国産より安い秘密は
実はこんな手間が省かれているのです。

あなたのお宅のハチミツは賞味期限がありませんか?
もし記載があるならば・・・

きくやは自信を持って完熟ハチミツだけをお届けします。
完熟に達しない状態で開花期を終えて混合蜜になってしまったものは
「混合蜜」として販売します。また、すべて蜂のために冬場の食料にしたり、
「ハチビス」や「ハチティー」の材料にします。
お客様にウソをついてインチキ商品を売るような事は
きくやは絶対に許しません。

信頼できる商品を売る事が「養蜂家」や「輸入だけの養蜂会社」ではない
「蜂商」としての使命です。
ちなみにきくやの商品には「賞味期限」がありません。信頼できる本物を売る証です。

ハチミツの値段はピンからキリまで。
その秘密はこういうことかもしれません。