茨城には11の漁港と12の漁協があり、それぞれの港で水揚げされていました。
規模は小名浜や銚子にはかないませんが、それに負けないくらい活気に溢れた港から漁に出て
黒潮と親潮がぶつかる茨城県沖で捕れる四季折々の豊富な海の幸を私たちの台所に提供してくれていました。

茨城で生まれ育った人は、他の土地で食べる寿司や刺身にがっかりした経験はないでしょうか?
茨城の魚を食べて育った方なら、間違いなく一度はそんな経験したことがあるかと思います。
私は何度もあります。そしてそのたびに故郷で食べていた魚を懐かしんだものです。
そして茨城は『新鮮な魚がいつでも食べられる最高の環境』だったんだということに改めて気付くわけです。

しかし、この度の震災で茨城の港は壊滅的被害を受けました。
私は震災後、波崎漁港以外の港は全て見て回りましたが、どこも港としての機能を失っていました。
特に平潟、大津、那珂湊、大洗の被害は甚大で市場としての設備が津波によって破壊されています。
他にも防波堤や桟橋が破壊されたり、敷地が液状化してしまったりと、かなり被害は深刻です。

県の発表によると県内にある漁港だけでも損害は30億円以上、全てが復旧するには相当な時間と莫大な費用が必要のようです。
後継者不足もあり高齢の漁師さん達は廃業も余儀なくされています。
県内の状況、被害の大きさを見ても、港の復興が一番最後になるであろうと予想されます。

港が復旧する当分の間、茨城には魚が水揚げされなくなります。
現在、わずかに残った船が漁をしていますが県内に水揚げできる港がないため、銚子港に水揚げされているのが現状です。
港の消滅は私たちの今まで食してきた新鮮な水産資源が食べられなくなると言うことです。
これは港の問題だけでなく、私たちの生活にも大きく影響してくることなのです。

今回立ち上げた「大漁祈願プロジェクト」は、県内の漁港の支援をして
少しでも早く港が復興できるように、、そして私たちの大好きな「新鮮な美味しい茨城県産の魚」が食べられるように
茨城全体が助け合い、一丸となって復興に向けて歩いていけるようにと考えて立ち上げました。

ぜひこの「大漁祈願プロジェクト」に、ご賛同いただき募金の方に協力していただければ幸いです。

なぜ大漁祈願プロジェクトなのか

茨城でも甚大な津波被害があったという現実

震災翌日、東京から戻って、茨城の被害を見て唖然としました。
東京で見た地震の状況はすべて東北の事ばかりだったので、茨城はそれほどでもないかと勘違いしていました。
12時間かけてようやく帰省したアジト(自宅)は瓦が落ち、敷地には地割れが出来ていました。
店内は棚が倒れ、調理場の食材は散乱し、ガラス製品はすべて割れ、
一人では動かせないような業務用冷蔵庫や重たいミキサーなどが驚くほど動いていました。

未曾有の災害で、停電、断水が続き大混乱に陥っている町で
「自分に何か出来る事は無いか」と考え、
調理が出来るハチバスと、唯一使えるガスを頼りに、
東京から持ち帰った食材を使って翌日「炊き出し」をやりました。

アジトで炊き出しを行った際に、ガソリンが無くて来られない方がいることに気づき
ガソリン難、食糧難に陥っている方のために「出張炊き出し」として県内を回りました。

その後、「炊き出しよりも食材を提供する方が自宅に避難している方には便利だ」と気がつき
物資の提供を募り、個人宅や老人ホームなどに物資を届ける「野菜を届け隊」を敢行しました。

被災地では刻一刻と状況が変わります。
「状況に合わせた支援が必要」だと言うことを痛感しました。

那珂市、ひたちなか市、大洗町、高萩市、北茨城市、そしていわき市と
私が回ることのできた地域は物流も動きだし、ガソリン供給も始まり、
ライフラインもほとんどの地域で復旧し、復興に向けて歩き出しました。

…とは言うモノの
被災地を周りながら一番心を痛めたのが、津波の被害を受けた地域です。
特に被害の大きかったのは漁港、港町です。
茨城には小名浜港や銚子のような大きな漁港は無いのですが、
小さい港が点在しており、どの港も津波によって甚大な被害を受けていました。
家も、船も、市場も、すべて流されている地域もあるのです。
復興にむけて歩き出す事すらできない状態なのです。
本当ならば写真などを撮影してくれば良かったのですが、
見慣れた港が無残な姿に変わり果てた光景を写真に収める勇気がありませんでした。

震災後から、
『茨城は被災地なのにテレビで知らせてくれない』などと言う声が多かったのですが
津波の被害を受けていない地域は、被災地には変わりありませんが『多少被害があった』程度です。
その証拠に、それなりに障害や混乱は残っていますが、生活が戻りつつあります。
しかし、津波を受けた港町は「今までの生活に戻ること」すら不可能な状態なのです。
東北の津波の被害を受けた地域の情報をテレビ等で何度もやっていますが、
それと変わらない状況が茨城の港町で起きているのです。
『多少の被害があった』茨城にも『甚大な被害があった地区』があるのです。

すでに茨城は復興に向けて歩き出しました。
しかし茨城には自分達よりも困難な状況に立たされている方々がまだ沢山いるのです。
今は自分達よりも辛い思いをしている「仲間」を救うために、手をさしのべる時ではないでしょうか。

   
大漁祈願
プロジェクト
プロジェクトの仕組み

この大漁祈願プロジェクトはハチバスが『ハチバス基金』を設立して募金活動を始めました。
ハチバスはご存じの方もいるかと思いますが、従業員は2人です。
つまり基金自体の運営も2人でやっているのです。もちろん無償でやっています。

大きな団体はスタッフだけでもかなりの人数、そして募金活動自体にもかなりの費用を使っています。
大きな団体は金額も大きいので仕方がないのかもしれませんが、
募金を募るためにせっかくの善意が違う方向に使われているのです。

さらに、協賛店舗においてある「募金箱」はハチバスが負担おりますし、
募金箱に貼ってあるステッカーは(株)ジェムロゼオ様が無料で作成してくれました。
そのため設立、運営に係る費用は一切発生していません。

また、皆様から直接お預りした募金も、振込による募金も、
ひたちなか農業協同組合(JAひたちなか)の普通口座で一括管理しています。
募金期間が終了する5/22までの間にも金額によっては多少利子が発生すると思いますが、
ハチバス基金ではその利子額も公表し、そちらも寄付させていただきます。
基金口座で発生する利子まで公表し、寄付するのはハチバス基金だけです。

ただし、募金活動をクリーンにしているため、
他の団体のように「振込手数料無料」という事はできません。
なんでせっかくの善意も手数料分負担いただかなければなりません。
ただそれも見える形の負担ということだけで、実際は見えない負担によって募金から
手数料が取られているのも事実です。

そして今回集められた募金は、ハチバス運転手が責任を持って
県の漁港協会や、漁連に寄付するのではなく、県内の各漁港を運営する「漁協」へ直接持って行きます。

※(素早く漁協へ届けるために金額の分担方法を変更しました。詳しくはこちらへ)
目標としては500万円、県内12の漁港に最低でも30万円ずつ寄付をしたいと考えています。

30億円と言われる損害ですので、30万円程度では話にならないかもしれませんが、
冷蔵庫の扉分くらいだとしても、漁具の購入の足しにでも、無線機の購入の足しにでも、
皆様からの善意の募金が「全額」が漁協の復興に使われるようにしようと考えています。

今まで自分のしてきた募金の行き先に不安を感じていた方は、ぜひ安心してハチバス基金にお預け下さい。
『ハチバス基金』は中間コストをすべてカットして寄付金を全額漁協に寄付することをお約束します。

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